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AI導入前に整えておくべきことは?[経営エクスプレスNEWS vol.20]

    本日のテーマ

    AI導入前に整えておくべきことは?

    「使える」と「使いこなす」の差

     

    1》本当に使えていますか?

    あらゆるビジネスシーンに生成AIが浸透し、いまや多くの人が業務のなかで日常的に活用する時代が到来しています。

    こうした中で今本当に求められているのは、単なる操作スキルではなく、AIの出力に対する「見極め力」です。

    気軽にAIに触れられるようになったからこそ、「使える」と「使いこなす」の差が組織の力を分け始めています。

    2》AI活用の壁

    独立行政法人情報処理推進機構(IPA)が実施した「DX動向2025」の「生成AIを業務で活用する上での課題」から、トップ5を見ると、最も多いのは「生成AIの効果やリスクに関する理解が不足している」(48.6%)、次いで「誤った回答を信じて業務に利用してしまう」(40.5%)です。

    生成AIを業務で活用する上での課題を示した図

    このデータが示すように、多くの企業が「AIの出力を鵜呑みにしてしまうリスク」や「使い手の評価スキルの不足」という壁に直面しています。

    3》物差しは経験の蓄積から育つ

    AI活用の大前提は、出力された答えをそのまま受け取らないことです。

    「この表現は浅い」「これでは顧客に伝わらない」と違和感を抱く力は、過去にどれだけ仕事の本質や失敗と向き合ってきたかという「経験の蓄積」からしか生まれません。

    ここで活きるのは、これまで培ってきた仕事の判断基準です。この物差しがあるかどうかが、AIを「使える人」と「使いこなす人」の境界線になります。

    4》企業が取るべき構え

    新人社員がAIを使うと、AIの答えをそのまま提出してしまうことがあります。しかし、それは本人の能力不足ではなく、AIの出力を評価する物差しがまだ備わっていないだけです。

    だからこそ、企業がまず取り組むべきは「自社の判断基準を教えること」です。新人がAIで作成した内容をベテランが確認し、フィードバックする時間を設ける取り組みは有効です。

    その際、単に修正するのではなく「なぜこの表現は自社らしくないのか」を解説します。

    AI時代の競争力は、結局のところ人間がいかに質の高い判断を下せるかにかかっています。

    何を人間が考え、どこをAIに委ねるのか。その境界線を引くことが重要です。