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組織内の対立にどう対処する?「違い」を力に変える組織作り[経営エクスプレスNEWS vol.12]
本日のテーマ
組織内の対立にどう対処する?
「違い」を力に変える組織作り
1》「違い」がもたらすもの
人はそれぞれ異なり、誰一人同じ人はいません。育った環境によって個性は磨かれ、より独自のものとなっていきます。会社は、そうした多様な個性や能力をもつ人材を集め、力を合わせて成果を上げようとする組織です。
ところが、その違いが時に、業務上の対立へと発展することがあります。本来は違いこそがアイデアやイノベーションの契機となるのですが、違いによって対立してしまい、組織に深刻なダメージをもたらす場合もあります。
2》社員間のコミュニケーション
図はHR総研が実施した「社内コミュニケーションに関するアンケート2023」からの抜粋です。「社員間のコミュニケーション不足は業務の障害になると思うか」を聞いています。「大いにそう思う」「ややそう思う」で94%を占めています。
障害を及ぼす業務の内容としては、「目指す方向への認識の統一」「迅速な情報共有」「部門間・事業所間の連携」などが挙がっています。

3》コミュニケーション不足のリスク
しかし、問題はそれだけではありません。コミュニケーション不足は組織の成長を揺るがす重大な対立も招きます。対立は、放置すれば不信や分断を生みますが、適切に対処すれば新しい発想や改善のきっかけとなります。
つまり、重要なのは「対立をなくすこと」ではなく、「対立をどう活かすか」です。そのためには、情報共有にとどまらない、率直で建設的なコミュニケーションが欠かせません。
4》対立を昇華させる
コミュニケーション不足は、価値観の違いを増幅させてしまいます。だからこそ経営者には、「対立をどう扱い、組織の力に変えるか」という視点が求められるのです。
重要なのは、対立を水面下に押し込めるのではなく、公の場に出して建設的に議論し、解消へと導くことです。例えば、会議のような場を単なる報告の時間にせず、「安心して本音を言える場」へと設計し直すことは重要です。
意見がぶつかるのは、決して悪いことではありません。意見交換の積み重ねは、個々の違いを活かす文化をつくります。 大掛かりな制度改革を打ち出すよりも、まずはすでにある仕組みに少し手を加えることから始めてみてください。対立にふたをするのではなく、オープンな対話に踏み出すことこそ、組織を動かす第一歩となるはずです。