カスタマーハラスメント
近年、カスタマーハラスメント(以下カスハラ)という言葉が広く知られるようになりました。日本で根強い「お客様は神様」という風潮に乗じて、過剰なサービスを要求する、気に入らないとSNSで発信して会社やブランドのイメージを悪化するといった事例が増えています。
中には、土下座を強要したり暴言を吐いたりする事例もあり、カスハラ被害に遭った従業員の身体的・精神的負担は計り知れません。
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本日のテーマ
自分の身を守るためにどうすればよい?
「カスタマーハラスメント対応」
近年、カスタマーハラスメント(以下カスハラ)という言葉が広く知られるようになりました。日本で根強い「お客様は神様」という風潮に乗じて、過剰なサービスを要求する、気に入らないとSNSで発信して会社やブランドのイメージを悪化するといった事例が増えています。
中には、土下座を強要したり暴言を吐いたりする事例もあり、カスハラ被害に遭った従業員の身体的・精神的負担は計り知れません。
図は、パーソル総合研究所が行なった「カスタマーハラスメントに関する定量調査」からの抜粋です。カスハラ経験の有無を聞いています。
ここでは、3年以内の「ある」の数値が、3年より前の「ある」より高くなっている点が気になります。これは、近年になってカスハラが増加傾向にあるからと考えられます。
では、カスハラの被害に遭った際、どう対処したらいいのでしょう。カスハラへの対応が難しい最大の理由は、その「怖さ」にあります。前述した調査の別項目でも、カスハラの内容として最も多く挙げられているのは「暴言や脅迫的な発言」「威嚇的・乱暴な態度」です。突然怒鳴られたり、強い口調で詰め寄られたりすると、どんなに冷静な人でも動揺してしまうものです。
しかもそれが「お客様」という立場から発せられると、反論しづらく、固まってしまうのも無理はありません。
ここで心得ておきたいのが、相手と同じ土俵に立たないということです。相手と同じ態度を自分も示せば、状況が悪化しかねません。それより共感を示すことが大切です。「お気持ちはわかります」の一言が、相手を落ち着かせ、自分の身を守る場合があります。
また、他の従業員との連携も大切です。誰かが介入したり、やり取りを引き継いだりすることで空気が変わり、事態が落ち着くケースも少なくありません。とはいえ、個人の対応には限界があります。
最も重要なのは、会社が「従業員を守る」という方針を打ち出し、行動で示すことです。具体的なマニュアルの整備や上司のフォロー体制、相談窓口の設置など、従業員が安心して働ける環境づくりが、カスハラに立ち向かう第一歩となります。